
少額で不動産投資を始めたいけれど、REITと不動産クラウドファンディングのどちらがいいのか迷っていませんか。
どちらも、少額から不動産に投資できる方法です。
ただし、仕組みや値動き、換金性、リスクの出方はかなり違います。
結論から言うと、REITと不動産クラウドファンディングは、どちらが正解というより、目的によって向き不向きが分かれます。
いつでも売買できる流動性を重視するならREIT、個別の不動産案件を見ながら少額で学びたいなら不動産クラウドファンディングが検討しやすいです。
この記事では、不動産クラウドファンディングとREITの違いを、40代会社員の資産形成目線でわかりやすく整理します。
どちらを選ぶべきか迷っている方は、自分の目的や家計状況に合う方法を確認していきましょう。
この記事のポイント
- REITと不動産クラウドファンディングの違い
投資対象、価格変動、換金性、リスクの出方を比較します。 - REITが向いている人
流動性や分散性を重視する人に向いています。 - 不動産クラウドファンディングが向いている人
個別物件を見ながら少額で不動産投資を学びたい人に向いています。 - 比較前に確認すべき注意点
不動産クラウドファンディングは元本保証ではなく、途中解約しにくい点に注意が必要です。
不動産クラウドファンディングとREITの違いを比較

まずは、不動産クラウドファンディングとREITの基本的な違いを整理します。
同じ不動産を対象にした投資でも、仕組みや向いている人は大きく異なります。
- 投資対象の違い
- 価格変動の違い
- 換金性の違い
- リスクの出方の違い
| 比較項目 | 不動産クラウドファンディング | REIT |
| 投資対象 | 特定の物件や事業 | 複数物件を組み込んだ投資信託 |
| 価格変動 | 運用期間中は価格変動を日々確認しにくい | 市場価格が毎日変動する |
| 換金性 | 原則として途中解約しにくい | 市場で売却しやすい |
| リスク軽減策 | 優先劣後方式がある案件もある | 市場価格に影響される |
| 向いている人 | 個別案件を見ながら不動産投資を学びたい人 | 流動性や分散性を重視したい人 |
投資対象の違い
REITは、不動産投資信託のことです。
投資法人が複数の不動産を保有し、その収益を投資家へ分配します。
投資家は個別の物件を直接選ぶというより、複数物件に分散された投資信託へ投資するイメージです。
一方で、不動産クラウドファンディングは、特定の物件や特定の不動産事業に出資する形が多いです。
たとえば、マンション、アパート、商業施設、ホテル、物流施設など、案件ごとに投資対象が明確になっています。
個別の物件や案件を見ながら投資判断をしたい人は、不動産クラウドファンディングの方が学びやすいかもしれません。
価格変動の違い
REITは証券市場に上場しているため、株式のように価格が日々変動します。
不動産そのものの収益だけでなく、金利、景気、株式市場、投資家心理などの影響も受けます。
そのため、短期的には価格が大きく上下することがあります。
一方で、不動産クラウドファンディングは、運用期間中に市場で売買する仕組みではないため、日々の価格変動を確認する場面は多くありません。
ただし、価格変動が見えにくいから安全という意味ではありません。
対象不動産の運用がうまくいかなかった場合や、売却価格が想定より下がった場合には、元本割れする可能性があります。
換金性の違い
REITの大きなメリットは、換金性の高さです。
市場が開いていれば、保有しているREITを売却して現金化しやすいです。
もちろん、売却時の価格が購入時より下がっていれば損失が出る可能性はあります。
それでも、必要なときに売却しやすい点はREITの強みです。
一方で、不動産クラウドファンディングは、原則として運用期間中に途中解約しにくい案件が多いです。
運用期間中に急な出費があっても、すぐ現金化できない可能性があります。
近い将来使う予定があるお金は、不動産クラウドファンディングに回さない方がよいです。
リスクの出方の違い
REITは価格が毎日動くため、値下がりリスクが見えやすい投資です。
市場価格が下がれば、含み損がすぐに見えます。
一方で、不動産クラウドファンディングは運用中の価格変動が見えにくい分、リスクが小さく感じられることがあります。
しかし、実際には元本保証ではなく、事業者リスクや物件リスクがあります。
優先劣後方式がある案件もありますが、それは元本保証ではありません。
それぞれのリスクの見え方が違うだけで、どちらにも損失の可能性はあります。
REITが向いている人
REITは、不動産へ分散投資しながら、流動性も重視したい人に向いています。
ここでは、REITが向いている人の特徴を整理します。
- いつでも売買できる流動性を重視する人
- 分散された不動産に投資したい人
- 市場価格の変動を受け入れられる人
いつでも売買できる流動性を重視する人
REITは、証券市場で売買できます。
そのため、資金が必要になったときに売却しやすい点がメリットです。
不動産クラウドファンディングのように、運用期間中は原則途中解約しにくいという資金拘束はありません。
もちろん、売却時の価格によっては損失が出る可能性があります。
それでも、必要に応じて売却できる選択肢がある点は、REITの大きな強みです。
分散された不動産に投資したい人
REITは、複数の不動産に分散投資されている商品です。
オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテルなど、投資法人によって保有物件の種類は異なります。
個別物件を自分で細かく選ぶより、複数物件にまとめて投資したい人には使いやすい方法です。
自分で1件ずつ案件を確認するのが負担に感じる人にとっては、REITの方が合う場合もあります。
市場価格の変動を受け入れられる人
REITは市場価格が毎日動きます。
金利上昇や景気悪化、株式市場全体の下落によって、REIT価格も大きく下がることがあります。
そのため、価格変動を受け入れられる人に向いています。
日々の値動きを見ても慌てず、長期目線で保有できる人であれば、REITは不動産投資の選択肢になります。
反対に、価格の上下を見るたびに不安になる人は、REITの値動きが負担になるかもしれません。
不動産クラウドファンディングが向いている人
不動産クラウドファンディングは、個別の不動産案件を見ながら少額で学びたい人に向いています。
ただし、元本保証ではなく、運用期間中に資金が拘束されやすい点は理解しておきましょう。
- 個別物件を見ながら少額で学びたい人
- 日々の価格変動を気にしたくない人
- 余剰資金で運用期間を待てる人

個別物件を見ながら少額で学びたい人
不動産クラウドファンディングは、案件ごとに対象物件や運用計画が示されます。
そのため、立地、用途、想定利回り、運用期間、出口戦略などを確認しながら投資判断できます。
これは、将来的に現物不動産投資を考えている人にとって学びやすい点です。
もちろん、不動産クラウドファンディングだけで大家業を経験できるわけではありません。
ただ、少額で不動産収益の仕組みに触れられるため、現物不動産投資へ進む前の学習にはなります。
将来的に家賃収入づくりを考えたい方は、現物不動産投資で将来の家賃収入を目指すロードマップも参考にしてください。
日々の価格変動を気にしたくない人
不動産クラウドファンディングは、REITのように市場価格が毎日変動する投資ではありません。
そのため、日々の値動きに一喜一憂しにくいという特徴があります。
本業が忙しく、毎日価格を確認したくない人にとっては、精神的に続けやすい面があります。
ただし、価格変動が見えにくいから安全というわけではありません。
運用終了時の売却価格や対象物件の収益性によって、元本や分配金に影響が出る可能性はあります。
余剰資金で運用期間を待てる人
不動産クラウドファンディングは、運用期間中に途中解約しにくい案件が多いです。
そのため、近い将来使う予定があるお金ではなく、余剰資金で検討する必要があります。
教育費、住宅修繕費、車の買い替え費用など、使う時期が見えているお金は現金で残しておく方がよいです。
余剰資金の範囲で、運用期間が終わるまで待てる人には、不動産クラウドファンディングは検討しやすい方法です。
少額投資全体の順番から確認したい方は、少額投資の始め方を解説した記事も参考にしてください。
不動産クラウドファンディングの注意点
不動産クラウドファンディングは、REITと比べて日々の価格変動を気にしにくい一方で、独自の注意点があります。
ここを理解しないまま比較記事へ進むと、利回りやキャンペーンだけで判断しやすくなります。
- 元本保証ではない
- 原則途中解約しにくい
- 優先劣後方式はリスク軽減であって保証ではない
- 収益性だけで判断しない
元本保証ではない
不動産クラウドファンディングは、元本保証ではありません。
対象不動産の運用がうまくいかなかった場合や、売却価格が想定より下がった場合には、元本割れする可能性があります。
少額から始められるため気軽に見えますが、投資である以上、損失リスクがあります。
生活費や近い将来使うお金を投資に回すのは避けましょう。
原則途中解約しにくい
不動産クラウドファンディングは、運用期間が決まっている案件が多いです。
その期間中は、原則として途中解約しにくい場合があります。
REITのように、市場で売却して現金化する使い方とは違います。
この資金拘束は、不動産クラウドファンディングを選ぶうえで重要な注意点です。
優先劣後方式はリスク軽減であって保証ではない
不動産クラウドファンディングには、優先劣後方式を採用している案件があります。
これは、損失が出た場合に、まず事業者側の劣後出資分から損失を負担する仕組みです。
投資家の損失リスクを一定程度抑えやすい仕組みではありますが、元本保証ではありません。
損失が劣後出資分を超えた場合には、投資家の元本にも影響が出る可能性があります。
優先劣後方式は安心材料のひとつですが、安全を保証するものではありません。
収益性だけで判断しない
不動産クラウドファンディングを比較すると、想定利回りに目が行きやすいです。
ただし、利回りが高い案件ほど良いとは限りません。
運用期間、対象物件、出口戦略、運営会社の実績、劣後出資割合をあわせて確認することが大切です。
不動産クラウドファンディングの収益性について詳しく知りたい方は、不動産クラウドファンディングは儲かるのかを解説した記事も参考にしてください。
比較する前にリスクも確認しましょう
不動産クラウドファンディングは、REITより日々の価格変動を気にしにくい一方で、元本保証ではなく、途中解約しにくい案件もあります。
具体的なサービスを比較する前に、デメリットや注意点も確認しておくと判断しやすくなります。
比較する前に確認したいこと
REITと不動産クラウドファンディングのどちらを選ぶかは、目的によって変わります。
最後に、比較する前に確認しておきたいポイントを整理します。
- 流動性を重視するか
- 個別物件を見ながら学びたいか
- 余剰資金で運用期間を待てるか
- 利回りだけで判断していないか

流動性を重視するならREIT
いつでも売買できることを重視するなら、REITの方が合いやすいです。
市場価格の変動はありますが、必要に応じて売却しやすい点は大きなメリットです。
急に資金が必要になる可能性がある人は、流動性を重視して考えた方がよいです。
個別物件を見ながら学びたいなら不動産クラウドファンディング
個別の物件や不動産事業を見ながら少額で学びたい人は、不動産クラウドファンディングが検討しやすいです。
対象物件、運用期間、想定利回り、出口戦略を見る経験は、将来の不動産投資を考えるうえで役立つかもしれません。
ただし、あくまで少額で仕組みに触れる方法であり、現物不動産投資そのものではありません。
余剰資金で運用期間を待てるか確認する
不動産クラウドファンディングを検討するなら、運用期間中に使わないお金かどうかを確認しましょう。
途中解約しにくい案件に、近い将来使う予定のお金を入れるのは避けた方がよいです。
投資できる金額ではなく、使わなくても困らない金額で考えることが大切です。
利回りだけで判断しない
REITも不動産クラウドファンディングも、利回りだけで判断しないことが大切です。
REITであれば価格変動や分配金の変動、不動産クラウドファンディングであれば元本割れや資金拘束のリスクがあります。
表面上の利回りだけでなく、自分が受け入れられるリスクかどうかを確認しましょう。
まとめ|REITと不動産クラウドファンディングは目的で選ぶ
REITと不動産クラウドファンディングは、どちらも少額から不動産に投資できる方法です。
ただし、仕組みやリスクの出方は大きく違います。
REITは、流動性が高く、複数物件に分散投資しやすい点がメリットです。
一方で、市場価格が日々変動するため、価格の上下を受け入れる必要があります。
不動産クラウドファンディングは、個別物件を見ながら少額で不動産投資の仕組みに触れられる点がメリットです。
一方で、元本保証ではなく、途中解約しにくい案件もあります。
どちらが正解というより、自分の目的、家計状況、リスク許容度に合う方法を選ぶことが大切です。
不動産クラウドファンディングを具体的に比較したい場合は、利回りだけでなく、運営会社、運用期間、対象物件、優先劣後方式、途中解約条件を確認しましょう。
具体的に比較する前に
不動産クラウドファンディングを比較する場合は、REITとの違いだけでなく、案件ごとのリスクや運用条件も確認することが大切です。
具体的なサービス比較は、以下の記事で整理しています。
この記事の内容は、あくまで一般的な目安です。
REITや不動産クラウドファンディングには、価格変動、元本割れ、分配金の変動、途中解約できないリスク、事業者リスク、物件リスクなどがあります。
各サービスや案件の条件は変更される可能性があるため、正確な情報は公式サイトをご確認ください。
税金、法律、投資判断、家計への影響について不安がある場合は、最終的な判断は専門家にご相談ください。